
| 発祥地 | 紀元前4世紀の古代インドに原型。中国から仏教が伝わると共に日本に渡る。学問分野を指す「五明」のひとつ。 | 3世紀にローマ典礼で、音楽的要素が用いられていることが確認されている。 | 17世紀にアフリカからアメリカへ連行された黒人奴隷たちが、キリストに救いを求めて歌い始めた「黒人霊歌」が起源。 |
| 成立時期 | 754年、東大寺大仏開眼法要に声明を用いた。その後最澄と空海がそれぞれ声明を伝え、天台声明・真言声明の基となった。 | 現在では、8世紀半ば以降にカロリング朝フランスでローマ聖歌とガリア聖歌を統合、発展した説が有力。 | 1870年代、黒人学校のフィクス大学が財政難解消のため、学生による「フィクス・ジュビリー・シンガーズ」を結成し、各地を公演。これを機に全米に知られる。 |
| 宗教 | 仏教。主には天台宗と真言宗。 | キリスト教。主にローマ・カトリック教会。 | キリスト教。プロテスタント系。 |
| 用途 | 仏典やそれを解説した文章。仏教の儀式・儀礼の際に歌われる。 | 大部分はラテン語聖書からなる典礼文を歌詞としている。その他、ミサ用や通常の聖務日課用のものもある。 | 黒人教会の礼拝に用いられ、歌われるセクションで歌の内容や曲調がかわる。冒頭の「ワーシップ」、牧師の説教の前は「インスピレーショナル」、礼拝の最後には「オルターコール」などに分かれる。 |
| 特徴 | 口伝(くでん)で伝えるため、当初は楽譜が存在しなかった。その後、博士(はかせ)と呼ばれる楽譜が用いられるようになった。鐃(ニョウ)や鈸(ハチ)という鳴り物を使用することもある。 | 単旋律・無伴奏である。元来は聖職者が歌うものであるので、基本的には男声に限られている。ただ、女子修道院などでは修行生活の一環として歌っている。 | 1930年代以降、黒人霊歌が「ゴスペル」として認知され、1960年代に発展したクワイア・スタイル(3声で奏でる大聖歌隊)で現在知られるゴスペル・ミュージックの形が出来上がる。 |
| 発展 | 平家物語の平曲、能の詞章である謡曲、民謡、浄瑠璃などは声明の転化といえる。日本の単旋律音楽に与えた影響が大きい。 | 中世、及びルネサンス音楽に大きな影響を与え、20世紀末には大衆的な人気を得て、「癒しの音楽」として注目を集めた。その後、ポップスやロックにもその旋律がモチーフとして使われた。 | 多くのポップ・ミュージックに多大な影響を与えている。クワイア出身者には、サム・クック、レイ・チャールズ、ジェームス・ブラウンなど。アレサ・フランクリンやマーヴィン・ゲイも教会に親しんでいた。 |
日本でも20年前位から親しまれている「グレゴリオ聖歌」。男声だけで構成する荘厳な響き、舞い降りてくる音楽を心静かに受け止める時間にみんなが魅了されます。今回はその調べに、仏教の声楽である「声明(しょうみょう)」が共演します。声明もまた、仏教儀式などで歌われてきた伝統的なもの。抑揚をつけて歌われる声明もまた、厳かな空間を醸し出します。今回の聴きどころは、「標高の異なる音楽の融合」。上から舞い降りてくるようなグレゴリオ聖歌と、お腹から首元に迫るような声明の重厚感を是非ご堪能ください!きっと初めての感覚を味わうこと、間違いなしです。
[真言宗声明]庭讃(にわのさん) 散華(さんげ) 唱礼(しょうれい)
[グレゴリオ聖歌]主の讃歌、クリスマスのアレルヤ唱、クリスマスの詠唱
[グレゴリオ聖歌&真言宗声明 コラボステージ]「露地偈(ろじのげ)」&交唱 他
黒人霊歌から歌い継がれて誕生したゴスペルも、現在はより生活に根付いた歌詞や前向きなメッセージを含んだ、親しみやすい曲が多くを占めます。そんなゴスペルの「今」を味わうのがこのコンサート。本場ニューヨークの全米トップゴスペルグループ「グローリー・ゴスペル・シンガーズ」が、今年も名古屋に登場します。圧倒的な声量とグルーヴ感あふれるダンスはよりパワーアップ!プログラムは「アメイジング・グレイス」などの讃美歌から、クリスマスソング、「オー・ハッピー・デイ」など。ステージも客席もみんなでステップを踏み、手を叩いてリズムをとる最高の瞬間を味わってください!
アメイジング・グレイス、ホワイト・クリスマス
きよしこの夜、アイ・ウィル・フォロー・ヒム
オー・ハッピー・デイ、シャウト 他多数