さらなる飛躍を期待される若手の旗手。
お気に入りのピアノ・ソナタを集めて。

札幌出身。2007年に1stアルバムを発売し、サントリーホールなどで行われたデビュー・リサイタルは軒並み完売。その後も毎年のようにCDリリースを続け、2013年の最新作『展覧会の絵』では辛口の評論家筋からも高い評価を受けた。これまでに全国の様々な名門オーケストラと共演を重ね、繊細で色彩感豊かな音色を持つ演奏で各方面から注目を集めてきた。今回は長大かつ重厚なリストの難曲に挑みつつ、幅広い層を魅了する名曲たちを披露。

───レコード芸術誌の特選盤となったアルバム『展覧会の絵』。この素晴らしい成果についての感想をお聞かせください。

アンスネスのCDで改めてその素晴らしさに気づき、ぜひ自分でも演奏してみたい！と思ったほど惚れ込んだ作品だったので、特選盤に選んでいただいたと聞いた時は本当に嬉しかったです。各地で演奏させていただき、練りに練った状態で録音に臨めたことも良かったと思っています。

───デビュー時と比べて、ご自身で感じられる変化などをお聞かせください。

音の出し方や音色については常に意識して勉強しているので、変わっていればいいなと思っています。やはり「豊かで豊富な音色」を自由自在に操れるようになるのが理想です。音楽に対峙する姿勢は少し変わってきたような気がしています。

───今回のリサイタルの聴きどころをお聞かせください。

今年は3つのスタイルの違うピアノソナタを中心にプログラムを組んでいます。最後のリストのピアノソナタは、彼が生涯唯一残したソナタです。いくつかのモチーフによる単一楽章でありながら30分にも及ぶこの大作は、かなり革新的な作品であり当時の音楽界に大きな衝撃をもたらしました。私はリストがこのソナタを自分の集大成のつもりだったのではないかと考えています。自分が30歳になった今、この大作をツアーで取りあげることは、大きな挑戦でもあり、楽しみでもあります。

───名古屋で楽しみにしていることなどあればお聞かせください。

名古屋はとても大好きな街です。まずは街並みが地元である札幌にとても似ていて居心地がいいこと、素晴らしいホールが多いこと、またおいしい食べ物がたくさんあることです。しらかわホールで演奏させていただくのは初めてですが、とても素晴らしいホールだとよく聞いています。ここでどんなお客様とどんな時間を共有出来るのか、本当に楽しみです！