大人のためのジャズ 世界一の歴史を誇るジャズ・ビッグバンドの名門デューク・エリントン・オーケストラジャパンツアー 2011 7/18愛知県芸術劇場大ホール / RETURN TO FOREVER “Returns to Japan Tour 2011”リターン・トゥ・フォーエヴァー“リターンズ・トゥ・ジャパン・ツアー2011”9/27愛知県芸術劇場大ホール

激動の2011年下半期、ジャズの歴史を支えた注目すべき二つのバンドが遂に飛来する。数々の伝説的偉業を築いて、既に創立80周年を誇るデューク・エリントンオーケストラと今日の音楽シーンをリードするチック・コリア率いるRETURNTOFOREVERだ。 共に世界的ヒットで名声を獲得し、その名演は絶賛されてきた折り紙つきの著名バンドである。世紀を越えて親しまれ、両者ともピアニストがリーダーである事と、殿堂入りベストヒットでビッグな記録を残してきたのは共通している。

DEO

グラミー賞をはじめ、数々の受賞やありとあらゆる燦然と輝く足跡が物語る誉れ高いエリントン楽団の歴史は、狂乱の時代“ローリング’20’s”に遡る。世界恐慌に見舞われた1920年代末期に、NYハーレムのメッカ“コットンクラブ”を拠点に人種を超え老若男女を虜にし、踊る音楽=SwingJazzで黄金時代の台風の目となった不滅の存在である。 黒人社会でもハイソサエティの環境で育ち、ピアニストとして作曲の才能はもとより、容姿や身のこなしとインテリジェンス溢れる事から“デューク・公爵”との愛称で呼ばれ、崇められたのである。誰もが耳にした事もあろう〈A列車で行こう〉、〈サテン・ドール〉そして〈キャラバン〉らの名曲は複雑かつ独特なハーモニーを醸しだすオーケストラサウンドが実に特徴的。デューク没後は息子のトランペッターであったマーサ・エリントンに引き継がれ、後も代々の指揮者にバトンタッチされ、この楽団のオリジナル歌曲と名称は存続。 現在はブロードウェイ・ミュージカル専属として活躍したピアニストであるトミー・ジェームズが亡き“DUKE”役を担っている。残念ながらさすがに楽団オリジナルメンバーの生存者はいないものの、アコースティックな馨しき旧き良き時代のジャズは、現代も至宝の存在だ。

RTF

そしてRTFも30年ぶりに帰ってきた。S.ゲッツやマイルスのバンドにも参加し、当時は若き俊英と呼ばれた時代の寵児であり、今尚も現役シーンの先頭に立つチック・コリアが組織したグループ。ジャズのみならずロックやソウルフルな要素を持ち込み、いち早く斬新な試みにチャレンジし8ビートや16ビートを織り込んだ新時代の幕開けを担った。 まさに’70年代の旋風を巻き起こした当時「クロスオーバー・ミュージック」と呼ばれ、後には「フュージョン・バンド」と位置付けられた典型の先駆けでもあった。 今回の来日ラインナップには百戦練磨の、かつての盟友が揃い踏みだ。ベースの達人で先頃も話題となったが、グラミー受賞の上原ひろみと組んだ名匠スタンリー・クラーク(ベース)やレニー・ホワイト(ドラム)ら往年盟友らを結集の他に、特筆すべきは電気バイオリンの先駆的革命児であったジャン・リュックポンティの参加で進取な匂いをさらにブレイクさせる予感…。

“スィング”と“フュージョン”、ジャズを括るカテゴリーの中では対比すべき大きなスタイルの違う解釈と表現方法の異なる二大潮流の良きサンプルでもある。それぞれの時代でムーブメント創造のイノベーターとして歩んだ両雄の音楽性を体感するには、このステージは各々必聴で、見逃せないパフォーマンスと言えよう。

文/バディ・みなみやま

デューク・エリントン・オーケストラ
ジャパンツアー 2011

  • 公演日:2011年7月18日(月・祝)開演/16:00
  • 会 場:愛知県芸術劇場大ホール
  • 料 金:S¥7,500 A¥6,500 B¥5,000 学生¥3,000
  • ※未就学児童のご入場は、ご同伴の場合でもお断り致します。
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RETURN TO FOREVER
“Returns to Japan Tour 2011”

  • 公演日:2011年9月27日(火) 開演/19:00
  • 会 場:愛知県芸術劇場大ホール
  • 料 金:S¥10,500 A¥9,000
  • ※未就学児童のご入場は、ご同伴の場合でもお断り致します。
  • 公演の詳細情報はこちら→

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