年に一度のフラの祭典。毎年、ハワイ島・ヒロ市で3月下旬から4月上旬にかけ1週間に渡り開催される、フラの最高峰と呼ばれるビッグ・イベントです。フラコンペティションのほか、パレード、コンサート、クラフトフェアなどが開催され、町全体が華やかな活気に満ちたフェスティバルになります。出場が許されるのは、招待された一流のフラ・ハラウ(フラ・スクール)だけ。披露される見事なフラは、世界中のフラガール、そしてフラファンたちの憧れの的です。大会の模様はハワイ全島にテレビとインターネットでライヴ中継されるほか、DVD化され世界で視聴されています。
最近フラが人気だ。ハワイアンイベントが盛んに行われ、その参加者数はウナギ登りだ。何故、こんなにもフラが私達の心をとらえるのか。筆者のスタジオメンバーにその魅力についてアンケートをした事がある。
きっかけは、運動不足解消、ハワイが好き、スポーツジムでの体験など様々だが、経験年数が長いメンバーはこんな事を言っていた。「最初は素敵なドレスを着てドキドキしながら舞台に立つ事が嬉しかった。でも歌の内容やハワイの歴史を知るようになり、フラの魅力にハマってしまった。」と。そして貴重な本場のフラを観る機会も増えつつある。
6月に来日するマーク・ケアリイ・ホオマルはまさにフラの異端児。彼に付けられた称号とも言うべき言葉だ。サングラスを掛け唱えるチャント、カネ(男性)用の衣装をまとうワヒネ(女性)ダンサー。まさに異端のフラに圧倒される。革新的なチャントは伝統を大事にするフラ界では賛否両論だが、誰にも真似する事が出来ない芸術だと評価する根強いファンもいる。名門ワイマープナでパワフルなフラに触れ、オークランドで「アカデミー・オブ・ハワイアン・アーツ」を立ち上げる。
7月に来日するナプア・グレイグはマウイ島のクムフラで数々のコンペティションで優勝、上位入賞を果たしている本格派。また、シンガーとして活動もしており、ナホクハノハノアワードで、2008年度女性ボーカリストの最優秀賞を受賞。愛らしいその笑顔と、パワフルな中に優雅さを感じさせる伝統的なマウイスタイルは、多くのフラファンを魅了している。自らフラを踊るもよし、まずは観てみるもよし、きっとあなたの心を豊かにすることでしょう。
■TEXT/イズミ・カイリマレイオカラニ・バンノ
「HalauHulaOWaipunamauloa」主宰フラの神と称されるフランク・K・ヒューエット氏から後継者の一人として認められ、Ka'ilimaleiokalaniと名前を頂く。名古屋のイベントに多数参加。今池スタジオ、春日井スタジオで毎週レッスン。チャンティングや古典フラ、現代フラとレイメーキングが習える。今年10月「ナ・イリマ・エ・オラ・マウ」を開催。
■詳細はHPで
http://waipunamauloa.jimdo.com/
TEL:080-6905-5350
伝説的ハラウ「ザ・メン・オブ・ワイマープナを経て、伝統と確かな実力をベースに斬新なフラを表現する「アカデミー・オブ・ハワイアンアーツ」を率いる孤高のクム・フラ(指導者)。また、ディズ二−のアニメ映画「リロ&スティッチ」に音楽パフォーマー、作曲家として参加するなど、その活動の場はフラ界だけにとどまらない。
10代でメリー・モナーク・フェスティバルに出演。’92年には2位を受賞して注目された。22歳でクム・フラとしてハーラウを開校。’03年、同校を率いてメリー・モナーク・フェスティバルに出場。以来、出場しては数々の入賞を果たす。また、’07年にはヴォーカリストとしてデビュー。ナ・ホク・ハノハノアワードの数々の賞に輝く、ハワイで最も旬なアーティスト。
ハワイの音楽賞の中でも、最も権威ある賞。全部で26部門あるカテゴリーはバラエティに富み、「ハワイアン・ランゲージ・パフォーマンス」「ハワイアン・アルバム」など、ハワイ独特の文化が盛り込まれているのも特徴です。授賞式にはその年に最も活躍したハワイのトップ・アーティストたちが集い、ゴージャスなムードに。ムームーやアロハシャツで正装した出席者も多く、ハワイらしさ満載です。授賞式の様子はハワイ全土に生放送で中継され、ハワイの夜がハワイアン・ミュージック一色に包まれます。
ハワイにいると、ウクレレの音色やファルセットボイスの歌声が車のFMラジオやショッピングモール、ホテル、レストラン、いたる所で心地よく耳に入ってくる。贅沢でゆったりとした時間を与えてくれる魔法のような音楽、それがハワイアンミュージック。今回はそんな魅力的なハワイアン・ミュージックを、名古屋で堪能するチャンスがあるということで、2組のアーティストをご紹介する。まずは、エイミー・ハナイアリイ。
'95年にデビューした彼女は、トラディショナルなハワイアン・ミュージックをベースに、ジャズやポップスのエッセンスを程よくブレンドしたスタイル。その卓越した音楽性は、全米、日本でも非常に評価が高く、「ハワイの歌姫」と評されている。ハワイのグラミー賞として称されるナホクハノハノアワードにおいて何度もアワードに輝き、とてもパワフルで、時にはナチュラルな歌声はハワイの風のよう。そして、ケアリイ・レイシェル。
'96年だったか、日本ではまだフラやハワイアンが今ほど盛り上がりを見せていない頃、ハワイで彼のライブを初めて観た。当時からケアリイの歌声はナチュラルで優しかった。ステージが終了し、観客は「ハナホー」(アンコールの意)と叫んでいた。その中で再び彼のチャント(詠唱)が会場に響き渡り、ダンサーによる古典フラ(Kahiko)が披露された。その時の体に稲妻が走ったような感動は今でも鮮明に覚えている。この名古屋で、人気と実力を兼ね備えたこの2組のアーティストを観られるなんて、今から本当に待ち遠しい。
■TEXT/KaWaileleHide
1996年、オアフでケアリイ・レイシェルのライブを見てフラとハワイアンミュージックの洗礼を受ける。2005年ハワイアンバンド「KaWailele」を結成。第8回Ho’olaule’aJapan2009ミュー ジシャン部門において優勝する。(初代チャンピオン)。
◎KaWailele(カヴァイレレ)ライブ OHANALIVE atARMADILLO(HawaiianNight)
●場所/本郷ARMADILLO(アルマジロ)●日程/偶数月の第二木曜日●お問合せ/052-771-2600
◎ウクレレ教室LaOhana(御器所)にてHideleleCafeを開講。
'95年にデビュー。第2作は「すべてハワイ語で歌われたアルバム」として史上初の全米ヒット・チャート入りを果たした。その他、ナ・ホク・ハノハノアワード、本家グラミー賞にもノミネートされてきた、人気・実力共にハワイを代表する女性シンガー。高い音楽性とナチュラルな歌声は、ジャズやクラシックのファンからも支持を集めている。
チャント(詠唱)をバックボーンに持ち、'94年にミュージックシーンでのキャリアをスタート。'95年にはナ・ホク・ハノハノアワードの主要5部門を制するなど、ハワイの音楽的歴史を塗り替える記録を次々と打ち立て、一躍ハワイ音楽界のトップ・スターとなった。そのソフトで甘美な歌声と心地いいサウンドで、多くのファンを魅了している。