20世紀初め、ディヴィッド・ワーク・グリフィス監督の超大作「イントレランス」等で映像の持つ可能性を極限にまで広げつつあったアメリカ音楽界は、1930年代にトーキー時代を迎え、音楽の分野でも絢爛たる華を咲かせることとなる。ヨーロッパの古典、ロマン派、近代音楽をもとに、ジャズ・ポップス等のエッセンスを取り込んだ「フィルム・ミュージック」の登場である。
特に、クラシック音楽界の優れた才能を惜しげもなく投入したオーケストラ・サウンドは、スクリーンの興奮や泣き笑いを絶妙に演出してハリウッドの代名詞となった。
映画音楽が世に現れておよそ80年。21世紀を迎え、それが市場の一ジャンルとして新たな評価を受けている。クラシックとポップス、芸術性と大衆性を両立させた質の高いエンタテインメント。「素晴らしきアメリカ文化の粋」と呼ばれる所以である。現在アメリカにはウェスト・コーストとイースト・コーストにハリウッドの名を冠した代表的なオーケストラが二つあり、前者ハリウッド・ボウルがクラシックも演奏するのに対し、後者ハリウッド・フェスティバルはアレンジも含めて映画音楽を専門として全米で活躍している。
注目される10年ぶりの来日では、ビリー・キングが特別に参加する。
贅沢三昧のニューイヤーコンサートである！