エリザベス女王の居城、バッキンガム宮殿を守る誇り高き衛兵「英国陸軍近衛連隊」。この部隊には50名編成の吹奏楽団が9隊あります。今回来日される「コールドストリーム・ガーズ・バンド」はこの中で最も優秀なバンドであり、衛兵交代のセレモニーの他、国賓の送迎、王室の戴冠式、婚礼、そして国会の開会、叙勲など国家的行事において祝典演奏を行うとても重要な任務についています。コールドストリーム・ガーズ・バンドの歴史は古く18世紀までさかのぼります。衛兵交代儀式のために楽隊が編成されたのは1785年。以来、連綿と受け継がれた栄光ある歴史は、このバンドの舞台にシックでダンディな風格を与えています。

コールドストリームとは、イングランドとスコットランドの境にある小さな村の名前で、有名なクロムウェル革命の際、この地で編成された連隊が1660年にロンドンへ進駐し、秩序をたて、フランスへ亡命中の国王チャールズ�U世を迎え入れた功績により近衛連隊に任命され、今日に至っています。まるで私たちをバッキンガム宮殿にいるような錯覚へと誘い込むほどのきらめくファンファーレ、そして続く勇壮なマーチ・・・。熊皮の帽子と真紅の礼装をまとった近衛の演奏を是非、お楽しみください。

1981年、3年間のバンドマスター教育を 受けるためネラーホール王位陸軍音楽学校に入学、作曲と編曲における優れた成績により数々の賞を受ける。卒業後、直ちに第16・第5槍騎兵連隊の軍楽隊長を務める。1993年の陸軍機構改革の波を受け、槍騎兵連隊を含む多くの連隊が縮小合併を余儀なくされたが、この機構改革推進に著しい貢献を果たしたジョーンズ隊長は、MBE大英帝国勲章を授与されている。

その後、ハイランド小銃連隊軍楽隊長に就任し、1994年には軽歩兵師団軍楽隊へ移動。ボスニア紛争では音楽活動に従事し、コソボ紛争にあっては軍楽隊司令官として活躍した。2000年、陸軍軍楽本部で音楽隊員の人材育成を推進する担当将校となり、ロンドンのトリニティー音楽大学と連携する一方、現代音楽作品を含む多くの曲を書いている。

2001年8月、名門コールドストリーム・ガーズ軍楽隊の音楽監督に就任した。