外山 啓介
ピアノ・リサイタル
若手NO.1ピアニスト外山啓介が挑む、ベートーヴェン4大ソナタ!
2010年末のジルベスターコンサートでの名演奏は記憶に新しい、実力人気ともに上昇中の若手ピアニスト外山啓介が満を持してベートーヴェンに挑戦!
[出演]
外山啓介(ピアノ)
[プログラム]
オール・ベートーヴェン・プログラム
ピアノ・ソナタ
第14番「月光」
第21番「ワルトシュタイン」
第8番「悲愴」
第23番「熱情」
SPECIAL INTERVIEW
楽器に寄り添うことで、自分らしい音を奏でる。 若手No.1ピアニストとの呼び声も高い外山啓介。'07年のCDデビュー以来、ショパン、ラフマニノフ、ドビュッシーなどを主な曲目として各地で精力的に演奏会をおこなってきました。キャリア5年目を迎えた今年、全国ツアーのテーマに選んだのは、ベートーヴェン。 「月光」や「悲愴」など、誰もが一度は耳にしたことのあるソナタの名曲ばかりをラインアップしたオール・ベートーヴェン・プログラムに挑みます。新たなチャレンジで、さらなる飛躍をめざす若きピアニストに、その意気込みを聞きました。 —7月からスタートする全国リサイタルツアーのテーマは、ベートーヴェン。 しかも「月光」「ワルトシュタイン」「悲愴」「熱情」という4大ソナタを一度に演奏されます。この演目を選ばれた経緯をお聞かせください。 ドイツに留学した経験があるので、いつかドイツの作曲家を取り上げたいなと思っていました。また、今年でデビューして5年目なんですが、このぐらいの時期に古典のソナタをツアーで取り上げられたらいいなと以前から思っていたんです。 —ドイツ留学で得たものは? —番よかったなと思うのが、季節感を肌で感じることができたことです。日本は四季のある国ですが、変わり目が緩やかですよね。ドイツは四季がすごくはっきり変わるんですよ。僕がいたのは北ドイツのハノーファーという町なんですが、冬なんて朝の8時まで真っ暗で、夕方の5時にはまた真っ暗になってしまうんです。一日中曇っていて、一日一回は雨が降る。そんな毎日が続いて気分も塞いだりするんですが、春になるときには、本当に2〜3日でパッと季節が変わるんですよ。その、パッと晴れだして暖かくなったときのよろこびが、とても大きいんです。それは、向こうで生活しなかったら分からなかったことですね。だから、例えばベートーヴェンのソナタに「春」という作品がありますが、あれだけの季節の差があったからこそ、あの曲が出来たんだと明確に感じ取ることができて、楽曲の理解も深まったと思います。ドイツの作曲家たちが感じたことを、自分も同じように感じられたということは、とてもよかったですね。 —今回のツアーで演奏されるのはとてもメジャーな曲ばかりですが、どのように捉えていらっしゃいますか? 中でも「ワルトシュタイン」と「熱情」は、ベートーヴェンの中期に書かれた作品なんです。彼自身、その頃は、いろいろな創作意欲に満ち溢れたときだったのではないでしょうか。その原動力となったのが、「エラール」という新しいピアノを手に入れたことだと思うんです。それまでのピアノより、楽器の可能性や音域がぐっと広がったと言われているんですね。それが曲づくりにも反映されていると思います。そして、新しい楽器によって音楽性が広がったことに対するよろこびが、曲にも満ち溢れているんですね。「ワルトシュタイン」には、それがとても明るく表れていて、「熱情」は正反対に、ちょっと苦悩的だと感じます。「熱情」では、同じモチーフが繰り返し使われているんですよ。少し話が逸れますが、昨年の秋頃から今年の春まで、僕のリサイタルではリストの「ロ短調のソナタ」をずっと取り上げていました。あの曲も3つのモチーフをもとに30分のソナタとして作られているんですが、それはすごいことだなと思うんです。よくもまあ、ここまで3つのモチーフに執着してこだわって、あれだけのソナタを書き上げた。「熱情」にも同じものを感じます。そして特徴的なのが、ヘ短調という調性。悩みや苦しみ、死を意識した調性だという説もあります。へ短調でソナタを書いて、あれだけ執拗に同じモチーフで曲を作ったということは、すごい試行錯誤とこだわりがあったんだろうな思います。 —どのように演奏しようとお考えですか? 今回のようなベートーヴェンの大きなソナタは、巨匠と呼ばれるようなピアニストはみんな録音しているはずです。ケンプ、ホロヴィツ、それからルービンシュタインとか…。魅力はそれぞれ全く違うし、とても個性的です。じゃあ、僕はどういう風に表現したらいいんだろうと考えたこともありました。でも、最近よく思うようになったのは、自分らしさを出そうとするんじゃなくて、自分が楽器に寄り添おうということ。例えば「ホロヴィッツを超えてやるぜ」なんて思うのは、お門違いもいいところで(笑)。年齢も経験も全然違いますしね。だから今、自分は精一杯、楽曲に真正面から向き合って、悩んだりしても、それをとことん追究することが大切なんじゃないかと思っています。 —7月27日には、名古屋公演もあります。楽しみにしていらっしゃることは? ホールですね。愛知県芸術劇場コンサートホールは、日本でも5本の指に入る素晴らしいホールだと思います。演奏を助けてくれるんですよね。味方してくれるというか…。何かの神様がきっといるんだろうなと思わせてくれるようなホールです。だから、本当に楽しみです。今回は、大きいソナタを4つも演目に並べたので、ちょっと大変かなと思うんですけど(笑)。僕にとっては新たな挑戦ですし、オール・ベートーヴェンというのも初めてなので、今までとは全く表情の異なる音を聴いていただけたら、と思っています。 |
外山啓介 Keisuke Toyama, piano 1984年、札幌市生まれ。5才からピアノを始める。 2004年、第73回日本音楽コンクール第1位。併せて増沢賞、井口賞、野村賞、河合賞、聴衆賞を受賞。 2006年、東京藝術大学卒業。2008年よりハノーファー音楽演劇大学に留学。 2007年1月、エイベックス・クラシックスよりCDデビュー。サントリーホールを始め全国各地で行なわれたデビューリサイタルは完売、新人としては異例のスケールでデビュー。 2008年7月、2ndアルバムのリリースと同時に、全国13ヶ所でのリサイタル・ツアーを行ない、サントリーホール(東京)、ザ・シンフォニーホール(大阪)などが満席となり、各地で話題となった。 2009年6月、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団とショパンのピアノ協奏曲を共演。7月、3rdアルバム『ラフマニノフ』をリリース、「レコード芸術」誌特選盤に選出。 2010年7月、4枚目のアルバム『幻想ポロネーズ』をリリース。同時にショパン生誕200年を記念するオール・ショパン・プログラムでのリサイタル・ツアーを各地で実施。12月31日にはオーチャードホール(東京)での「東急ジルベスターコンサート」に出演した(テレビ東京系にて全国ネット生中継)。 2011年はベートーヴェン・プログラムで全国各地を公演予定。 これまでに、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、札幌交響楽団、など多くのオーケストラと共演している。植田克己、ガブリエル・タッキーノ、マッティ・ラエカリオの各氏に師事。 その色彩感豊かな独特の音色を持つ繊細な演奏は各方面から注目を浴びており、今後最も活躍が期待される若手ピアニストである。 外山啓介オフィシャルサイト keisuke-toyama.com 〈ディスコグラフィ〉 『CHOPIN:HEROIC』(2007) 『インプレッションズ』(2008) 『ラフマニノフ』(2009) 『幻想ポロネーズ』(2010) |
公演日 | 2011(平成23)年7月27日(水) 開演/18:45(開場/18:00)終演/20:45 |
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本公演は終了しました
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会 場 | 愛知県芸術劇場コンサートホール | |
料 金 | 全席指定¥3,800 学生¥1,500 (消費税込) ※学生券は往復ハガキで申込みの上抽選。 |
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チケット 発売所 |
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備 考 | ※未就学児童のご入場はご同伴の場合でもお断りいたします。 |